総監修者の前書より抜粋〜
慶應義塾大学医学部教授 鹿島晴雄
本翻訳を思い立ったのは、本書が単に多くの神経心理学検査を載せた事典ではなく、神経心理学的評価とは何かについての深い洞察に基づくものであったためである。 当時、われわれは神経心理学的検査を通じて前頭葉症状の検討をはじめていた。検査を通して前頭葉症状の検討をはじめてみると、定量的アプローチの限界を認識するとともに、客観性ということで検査の否定もできず、まさに"前頭葉症状のとらえどころのなさelusiveness"を痛感することとなった。
両者のアプローチの長所を併せ持つ"中庸的アプローチ"を必要性を感じ、模索を
はじめた。"Neuropsychological Assessment"はまさに"中庸的アプローチ"の
重要性が強調されていた。"Neuropsychological Assessment"は現在の第3版に
至るまで研究室の必須の書物となり、われわれの座右の書であり続けることとなった。
本書はその翻訳であり"Neuropsychological Assessment"著者監修版というべき
ものである。